「食の感動」を届けるトリドールグループの挑戦

株式会社 トリドールホールディングス
代表取締役社⻑ 兼 CEO
粟⽥ 貴也 様

トリドールグループが抱えていた課題

なぜISENSEを選んだのか

ISENSE 岡田 :

粟田さんに最初にお会いしたのは2019年6月。僕がライザップを退社して、起業準備をしているタイミングでした。役員の方から連絡をいただいて、大崎のオフィスに伺ったんですよね。

トリドールホールディングス 粟⽥⽒ :

当時は会社の規模が大きくなり、9月には本社を渋谷に移転するタイミングでした。

ISENSE 岡田 :

あのとき社長室で粟田さんに1時間以上、質問攻めにされましたよね。

トリドールホールディングス 粟⽥⽒ :

すみません、そうでしたっけ?(笑)

ISENSE 岡田 :

僕がこれまでにやってきたことに対して、矢継ぎ早に「あれはどうなんだ」「海外ではどうなんだ」と、背景までひっくるめて質問されまして。普段は話をしていて疲れることはないんですけど、初めて肩で息をしながら会社を出たのを覚えています(笑)。
ただ、僕の人生の中で過去最高に鋭い質問ばかりで、実はすごく感動していたんです。その翌日には「岡田さんと仕事がしたい」とオファーをいただいて。あのときはまだ起業前だったにも関わらず、お仕事をいただけたことに驚きました。トリドールさんは我が社のファーストクライアントなんですよ。

トリドールホールディングス 粟⽥⽒ :

岡田さんの経歴を考えたら当然です。うちは会社を大きくしないといけない矢先であるにも関わらず、当時は情報システムなどが弱かった。ただ、私はそちらの分野は全く分からないタイプだったので、ちょうど強い方を探していたところだったんです。
一方、岡田さんはユニクロが73店舗だった時代から、グローバル企業になるまで、ずっと創業経営者の傍らでお仕えしていた人ですから。

ISENSE 岡田 :

粟田さんが最初に全社集会で僕を紹介したとき「岡田さんは未来から来たんだ」とおっしゃられて、面白い表現だなと。

トリドールホールディングス 粟⽥⽒ :

自分には見たこともない世界を知っているわけですから、それは弊社の未来ってことになりますよ。

IT化は目的を達成するための手段

ISENSE 岡田 :

最初のお店に「トリドール三番館」と名付けたというエピソードもそうですけど、粟田さんは独自の視点で物事を見られていますよね。

トリドールホールディングス 粟⽥⽒ :

僕は夢を書き留めるクセがあって、机の前やトイレの壁に、自分の夢を書いて貼っていたんです。
で、起業するときに、3軒くらい店舗を持てば、自分の目指す生活ができるのではないかと思った。じゃあ、この夢を看板に変えたら分かりやすいんじゃないかと思ったので、「三番館」にしたんです。ただ、最初の1年はすごく暇で、同級生にはからかわれるし、「やってもうた!」と思いましたよ(笑)。

ISENSE 岡田 :

それが今や何千店舗あるのかというところまで成長して。
私のビジネスは業務改革的なことが軸ではありますが、どうしてもITに関する課題を相談されることが多いんです。ただ、漠然とITを導入すればうまくいくものではなく、会社を成長させるためのITであったり、大きな会社を運営していくための仕組みとしてのITだったり、組織の体制や業務に応じて、どう取り入れるかで、初めてITは機能していくものなんです。だから我々は全体を通してお話をするのですが、粟田さんは最初から全体を見られていて、その上で現状の課題をストレートに言ってくださる。我々としては非常にやりがいがありますし、やはり独創的な考えで目標を達成された方は、人生をかけて事業をされていると感じました。

会社は放っておくと肥大化する

ISENSE 岡田 :

あと僕がもうひとつ感動したことがあって。
僕らが起業して半年後に、コロナ禍になって、飲食業は大打撃を受けました。そのときに粟田さんは、全てのプロジェクトを止めろと言って、店舗も全て休業された。でも我々のプロジェクトだけは止めるな、続けろとおっしゃったと聞いたんです。

トリドールホールディングス 粟⽥⽒ :

企業の贅肉を削ぐということは大事なことですから。会社は放っておいたら肥大化をするものです。本来、会社の仕事というのは店を運営するためのものであるはずが、いつの間にか会社を運営するための仕事に代わっていく。この温度差というのは中にいると気付きにくいんですよ。
本来の仕事に忠実に、組織の適正化をするためには岡田さんみたいな方にちゃんと見てもらって、合理化を図っていかないといけないと思ったんです。

ISENSE 岡田 :

僕は日本の企業人としての働き方は、変わっていかないといけないと思っているところがあります。
これまではサービス精神から、良かれと思って肉付けをしていくことが日本の働き方になっていた。現場は会社のために良かれと思っているのですが、あれも作って、これも作ってとしているうちに、トップが知らないところで、色々な贅肉が増えていく。
システムに関しても、現場に丸投げをすると、会社のためと思って余計なシステムがどんどん付随していくような構造になってしまうことが多い。
でも、本来自分の仕事がサービスなのか、社会貢献なのか、会社の業績なのか、何に繋がっているかの設計ができていないといけないわけです。そして、それが明確になれば、やることはぐっと絞られてくるものなんです。

トリドールホールディングス 粟⽥⽒ :

そうですね。人が集まると、それだけで会議も増えますしね。会議ってなんだろうと思うときがありますよ(笑)。だからこそ本来の仕事に忠実に、そして削げるものは削いでいくべきだと思っています。